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短歌2011
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1101 |
回る回る目当ての娘まであと五人
フォークダンスの曲よ止まるな
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NHK短歌(2011年2月13日教育テレビ放映)
入選 題:思い出(テーマ) 選者:加藤治郎氏
選者評:フォークダンスが異性に触れる殆ど唯一の機会。そういう時期の思い出である。胸の高鳴りが「目当て」「あと五人」「曲よ止まるな」と随所に噴出している。
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1102 |
泥炭地太古の森の火は燃えて
カリマンタンに煙のぼりぬ
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NHK短歌(2011年2月27日教育テレビ放映)
入選 題:火 選者:米川千嘉子氏
選者評:カリマンタン(インドネシア領ボルネオ島)では泥炭地層が自然発火して燃えている。地層のもとになった太古の森そのものが燃えているようなのだ。
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1103 |
ほろ酔ひの夢に見し妻若かりき
髪なびかせて貝に乗りたり |
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NHK短歌(2011年3月号掲載)
佳作 題:夢(テーマ) 選者:加藤治郎氏
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1104 |
麦わらに包みてありし納豆は
わらべの頃のあさげのかをり
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東海歌壇(2011年4月19日朝日新聞掲載)
入選 題:自由 選者:岡井隆氏
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1105 |
天井にやもり三匹住まはせて
虫退治せしバングラの宿
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ジパング倶楽部会報(2011年8月号掲載)
入選 題:自由 選者: 篠弘氏
選者評:インド東部に隣接するバングラデシュ。国土の大半が、大河川の肥沃なデルタ地帯。出張した折の体験で、三匹のやもりが活躍してくれたことが忘れられない。
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1106 |
玉手箱ひらきてみれば
死の灰の漂ふ沙漠にひとり佇む
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角川公募短歌館(月刊「短歌」2011年8月号掲載)
佳作 題:自由 選者:山埜井喜美枝氏
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1107 |
我が無事を世界の友は
各々の信ずる神に祈りたまひき
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角川短歌「題詠」(月刊「短歌」2011年8月号掲載)
入選 題:絆 選者: 秋山佐知子氏
選者評:世界中の友の祈り。「各々の信ずる神」が世界観を表す。
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1108 |
母鶏の雛呼ぶ声は人に似て
一オクターブ高くなりたり
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NHK短歌(2011年8月号掲載)
佳作 題:呼ぶ 選者:花山多佳子氏
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1109 |
わたすげ
綿菅の波立つ宵に汝を抱き
男体山の祭はじまる
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角川全国短歌大賞(月刊「短歌」2011年9月号掲載)
佳作 題:祭 選者: 小塩卓哉氏
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1110
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りんごひとつかごからとれば
テーブルごとひつくりかへりさうなセザンヌ
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角川公募短歌館(月刊「短歌」2011年9月号掲載)
特選 題:自由 選者:古谷智子氏
選者評:ひらがなとカタカナだけで量感豊かなセザンヌの名画を表現したところが見事だ。絵の中のたっぷりと盛られたリンゴの籠の絶妙なバランスが、手触り豊かに読者に伝達されている。
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1111 |
ひた走る深夜特急「北斗星」
途中の駅の名前知らない
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角川短歌「題詠」(月刊「短歌」2011年9月号掲載)
入選 題:駅 選者: 浜田康敬氏
選者評:この深夜特急は上野〜札幌間を15時間余かけて走る列車で、終点までは途中駅の存在など必要ないのだ。
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1112 |
我と共に世界巡りし黒皮の鞄
傷つき納戸に眠る
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NHK短歌(2011年10月号掲載)
佳作 題:眠る 選者:花山多佳子氏
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1113 |
思ひ出に錘をつけて船に乗る
夕陽の海に沈めるために
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NHK短歌(2011年10月号掲載)
佳作 題:海(湖) 選者:来嶋靖生氏
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1114 |
聴き初めし頃は葡萄の、
聴き込めし後はワインの香りすショパン
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角川公募短歌館(月刊「短歌」2011年11月号掲載)
佳作 題:自由 選者: 坂井修一氏
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1115 |
ラビリンス
パソコンは大海原の迷路
龍宮城には毒蛇もゐる |
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NHK短歌(2011年12月号掲載)
佳作 題:パソコン 選者:坂井修一氏
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